脂肪吸引について

脂肪吸引とは

脂肪吸引とは、特殊な専用の吸引管を使い、取りたい脂肪部分を直接取り除く手術になります。 脂肪と言っても皮下脂肪や内臓脂肪があり、脂肪吸引で取り除く事が出来るのは皮下脂肪になります。

ダイエットは膨らんだ脂肪細胞の容量を小さくする事で痩せますが、脂肪吸引の場合は脂肪細胞の数自体を減らします。皮下脂肪に悩んでいる方、部分的に脂肪を取りたい方、ダイエットをしてリバウンドに悩んでいる方など様々な悩みに対応します。

◯ 脂肪に種類?
ダイエットでは落とせないLFDとは?

脂肪吸引で除去できる脂肪は皮下脂肪という説明でしたが、その皮下脂肪にも種類があります。層全体に存在している脂肪と、体の一定の箇所の深い部分に存在しているLFDと呼ばれる脂肪です。この2つは全くの別物で、もともと脂肪細胞になる前から違っています。

神経 皮下脂肪 血管 LED 筋肉

図のように、深い部分に「LFD」があり、その周り全体を浅い皮下脂肪(斜線部)が覆っています。ここで重要なことは、浅い層の皮下脂肪には血管や神経が多く、深いLFDにはあまり血管や神経がないことです。
ダイエットやエステなどは血行をよくすることで脂肪細胞を燃焼させます。つまり、ダイエットなどで反応するのはほとんどが浅い皮下脂肪のみとなります。逆に、「LFD」はダイエットでは小さくすることができません。一般的に「脂肪吸引」とは、このLFDを除去することを指します。

脂肪吸引の方法

脂肪吸引には色々な方法があります。クリニックによって導入している方法に違いはありますが、施術部位や除去する脂肪量、予算などによってその方法を使い分けたり、組み合わせたりすることができます。代表的なものを簡単に説明します。

■ベイザー脂肪吸引

数ある脂肪吸引の方法で一番最先端の方法です。カニューレと呼ばれる特殊な管からベイザー波(振動エネルギー)を出し、脂肪細胞を遊離させて脂肪を吸引しやすくする方法です。従来の方法より体の負担を抑える事が出来ます。雅美容外科ではベイザーとシリンジ法を組み合わせた当院独自の手術を行っています。ベイザー波を広範囲に照射することで、全体の最大90%以上の脂肪を遊離・乳化して除去することが可能です。そのうえで、凹凸ができやすいデリケートな部分や太いカニューレでは取りづらい部分を重点的にシリンジ法で吸引します。この2つの方法を組み合わせることにより、大容量の脂肪を一気に吸引しながらも3次元的な美しく滑らかなシルエットを作り出せるようになりました。

■シリンジ法

麻酔液を脂肪層に注入し、脂肪を分解させながら注射器のシリンジで直接脂肪を吸引する方法です。シリンジ法は身体への負担が抑えられ,細かなボディーデザインの調整が行えます。その反面、手作業での施術ゆえに医師の高度な技術や経験が必要になります。
広範囲や脂肪量の多い部位にはウォータージェット法を組み合わせることができ、身体への負担を軽減しながらも大容量の脂肪除去が可能です。

脂肪吸引のメリット・デメリット

脂肪吸引には色々な方法があります。クリニックによって導入している方法に違いはありますが、施術部位や除去する脂肪量、予算などによってその方法を使い分けたり、組み合わせたりすることができます。代表的なものを簡単に説明します。

メリット
  • ・食事制限や運動など無理なダイエットの必要がない。
  • ・短期間で確実な効果を得られる。
  • ・部分痩せが可能。
  • ・リバウンドの心配がない。
  • ・理想のボディラインへ近付ける。
デメリット
  • ・費用が高額
  • ・最終仕上がりまでに時間を要する場合がある。
  • ・手術に伴うリスクがある
  • ・圧迫期間がある。

修正再手術と患者様の不利益

当院では毎日数件の脂肪吸引を行っており、年間にするとかなりの数にのぼります。中には他院で一度吸引を受けた方の修正再手術の依頼も多数あります。

■ある患者様の再手術

これは先日修正を行った患者様の再手術の事なのですが、この患者様はもともと他院で脂肪吸引を行い、その際に「ベイザーは必要ない!うちのやり方はベイザーよりよくとれる!」と自信満々に言われたことが決め手となったようです。それを信じた結果、残念ながら凸凹と取り残しという結果になりました。

そのクリニックに修正の手術を依頼しに行ったが全く相手にもしてもらえなかったようです。それでも凸凹の皮膚を見ていると諦めきれずに当院に修正希望で来院されました。前のクリニックでベイザーはいらないと言われ、予算もできる限り抑えたいとの希望もあり、通常のシリンジでの脂肪吸引で再手術を行うことになりました。

いざ手術を行うと麻酔の時点でガチガチで管が通らない。なんとか広げ吸引を行ったが、吸引されてくるのはほぼ麻酔液で、小石の欠片のような脂肪が数えられる程度に浮いているだけでした。そこで急遽ベイザー脂肪吸引に変更し丁寧にベイザー波をあて吸引すると驚くほどスムーズにきれいな脂肪が取れだしました。

■ベイザーを当てずに吸引する場合とあててから吸引する場合の結果

もちろんベイザー脂肪吸引の良さはよく知られています。使用したことがある医師なら認めない人はいないでしょう。同じような体型でも取れる量は大きく異なり仕上がりも断然キレイになります。ただ、実際同一の患者様の同一部位に、「ベイザーを当てずにそのまま吸引する場合」と「ベイザーをあててから吸引する場合」で比べたことがある医師は少ないのではないでしょうか?

自分も初めての経験で、その脂肪の取れ方と量の違い、吸引されてくる脂肪の性状の違いにスタッフ全員が興奮しました。

確かにどんな医師でも“ベイザーを使用したから”という理由できれいにできるわけではなく、技術と経験は間違いなく必要な条件です。ベイザーの導入にはある程度のハードルはあります。しかし「導入ができなかった」という理由でベイザーを否定し(今回は否定のみならずベイザーより優れているとカウンセリングではっきり伝えられていた)本当に優れた治療を提供しない、できないことは患者様に対して不利益にしかなりません。

■患者様が不利益を被らないよう
知って頂きたいこと

今回のケースでは、否定のみでなくより良いと言われて受けた手術で不利益につながっています。よく話を聞いてみるとそのベイザーを否定した医師は実際にベイザーを使用したことがないとのことでした…相当数使用し、その答えを自分なりの結論で話すならばともかく、使ったこともない機械を否定した結果、患者はつらい手術を2回も受けることになったのです。

確かに全員にベイザーが必要だとは決して思いません。「患者様それぞれの理想、ライフスタイルにあった方法を選択する」選択できるクリニックであるべきだと思います。当院で脂肪吸引を受けられる患者様の半数はベイザー以外を選択されます。それでもほとんどの患者様が結果に満足されています。

その方にあったそれぞれの吸引方法が存在します。手術を選択するのは患者様本人であり医師ではありません。そのために正しい情報を伝え、患者様が選択できる環境を整える事が医師の義務だと考えます。